音楽的生活1983-2008
音楽ってCDを聴いたり、ライブやコンサートに行くだけではなくて、日常生活でも音楽的なものってあるはず。 このページではそんな音楽的な出来事を紹介していきます。
01« 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31.»02
スポンサーサイト 
--/--/-- [--] --:--:-- » E d i t
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 *  TB: --  *  CM: --  * top △ 
2008/10/22 [Wed] 22:03:50 » E d i t
ふらりと中古CDショップに立ち寄ったのだが、例によって500円棚を見ているとモロッコ/crossroads of timeというモロッコ音楽のCDを発見。すぐに購入してしまった。

内容はそのものずばり、モロッコの音楽を紹介しているわけだが、日ごろ聴く機会が少ない音楽だけについ聴き入ってしまった。実に新鮮な音楽体験である。実際に行ったことはないのだが、砂漠の熱気を感じる。湿度がほとんど皆無。空気もましてや自分自身すらも乾ききっているような、そんな環境のことを。

このCDを聴いているうちに中山可穂の作品「マラケシュ心中」を思い出した。今年は過去に読んだ本を読むことが多く、ある意味原点回帰の年でもあるわけなのだが、この本もその中の一冊。
中山作品はどれもエネルギーがいるけれど、この作品は中でも特に激しい。

愛は、極めねばなりません。
極めたら、死なねばなりません。

山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。
究極の恋愛小説。

恋がいつか必ず終わるものなら、
わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。
何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、
いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、
いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。――(本文より)

女性と女性の性愛の深み、歌人の中に吹く淫蕩の嵐を北アフリカの砂漠の嵐に呑みこませて綴る恋愛小説。

どの作品も好きなのだが、この作品が彼女の最高傑作であるのは間違いない。(猫背の王子という意見もあるが)
「マラケシュ心中」に登場する緒川絢彦は、短歌を詠む歌人である。
その歌は激しい性を生々しく表現し、当人もまた何人もの女性と関係をもつ。
そんな彼女が小川泉という女性との出会いによって大きく変わっていく。
良くも悪くも。

憎い。憎い。憎い。泉が憎い。赤ん坊が憎い。先生が憎い。この世のありとあらゆる夫婦が憎い。セックスさえすればかんたんに子どもをつくれるやつらが憎い。子どもをだしにして愛を引き留めるやつらが憎い。そしてわたしは誰よりも神が憎い。男女のあいだでしか生殖を可能にしなかった神が憎い。同性同士の愛を変態を呼ぶ世界をつくった神が憎い。このように不公平で不完全な世界をつくって平然としている神が心底から憎い。脳の血管が切れるほど、はらわたを掻きだしてぶつけたいほど、憎くて憎くてたまらない。

この憎しみと痛みこそがこの物語の本質ではないかと思っている。

そんな中山作品に隠されている狂気を思いながらCDを聴いている。
多分一生行くことがない場所だが、せめて音楽と小説でイメージの旅行をしてみようと思う。
スポンサーサイト

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

書籍 *  TB: 0  *  CM: 4  * top △ 
コメント
この記事へのコメント
近所の某紀伊国屋書店で、この夏中山さんの特集コーナーが設けられており、
マラケシュ心中をはじめ、私も数冊を読みました。
まるで熱にうかされたように。

>憎い。憎い。憎い…
のくだりは、胸をえぐられるような絢彦と作者との叫びを突きつけられているようですね。
もう、息がつまってしまいました。

このブログを読んで、きっと中山さんの作品を読んでみようと思う人、出てくるんじゃないかな。
一緒にぜひあの苦しい熱気を感じてほしいものですね。

2008/10/23 Thu 14:28:45
URL | ユリ #-[ 編集 ]
>近所の某紀伊国屋書店
ユリさん

マラケシュはすごい濃密ですよね。書かれている内容はもちろんですが、主人公の愛と憎しみの大きさが。たまに読み返したくなる作品です。心が痛くなるけれど。こんな体験したら人生が変わってしまうんでしょうね、きっと。

最近は何か読まれましたか?
これに近いような作品を。
2008/10/27 Mon 21:37:51
URL | 未来派1983 #x9/xA2t2[ 編集 ]
最近はまったく逆で、小川洋子さんにしばらく夢中になっていました。
逆というのは、中山さんに較べて、その愛のあり方が静と動、というカンジかな。
でも静ではありながらその強さは引き込まれるような種類のもので、どちらかというと自分は小川さんに似たところを多く感じるのでした。

時間をかけて少しずつ何かにとり込まれてゆく様子、
静かな狂気に絡められて動けなくなってゆくさま、などとてもよかった。
読書の趣向に案外自分の人生観が出るのかも、など考えさせられたりして。
2008/10/28 Tue 10:34:12
URL | ユリ #-[ 編集 ]
>最近はまったく逆
ユリさん

小川洋子さんですか。
デビュー作くらいですかね。
しかしあれは第二作目だったのかな、妊娠カレンダー。彼女の作品には結構残酷なものが隠されてますよね。その毒が魅力的なのかもしれませんね。

今は恩田陸さんの「月の裏側」を読んでます。
そろそろエンド・ゲームが来るかな。

読書の趣向に自分が出るというのはなんとなく分かりますね。あまり本を読まなくなったというのも何かの暗示なのかな…。
2008/10/28 Tue 21:59:52
URL | 未来派1983 #x9/xA2t2[ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://harmoniodeon83.blog39.fc2.com/tb.php/625-b7a7bfef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。