音楽的生活1983-2008
音楽ってCDを聴いたり、ライブやコンサートに行くだけではなくて、日常生活でも音楽的なものってあるはず。 このページではそんな音楽的な出来事を紹介していきます。
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2008/10/22 [Wed] 22:03:50 » E d i t
ふらりと中古CDショップに立ち寄ったのだが、例によって500円棚を見ているとモロッコ/crossroads of timeというモロッコ音楽のCDを発見。すぐに購入してしまった。

内容はそのものずばり、モロッコの音楽を紹介しているわけだが、日ごろ聴く機会が少ない音楽だけについ聴き入ってしまった。実に新鮮な音楽体験である。実際に行ったことはないのだが、砂漠の熱気を感じる。湿度がほとんど皆無。空気もましてや自分自身すらも乾ききっているような、そんな環境のことを。

このCDを聴いているうちに中山可穂の作品「マラケシュ心中」を思い出した。今年は過去に読んだ本を読むことが多く、ある意味原点回帰の年でもあるわけなのだが、この本もその中の一冊。
中山作品はどれもエネルギーがいるけれど、この作品は中でも特に激しい。

愛は、極めねばなりません。
極めたら、死なねばなりません。

山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。
究極の恋愛小説。

恋がいつか必ず終わるものなら、
わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。
何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、
いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、
いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。――(本文より)

女性と女性の性愛の深み、歌人の中に吹く淫蕩の嵐を北アフリカの砂漠の嵐に呑みこませて綴る恋愛小説。

どの作品も好きなのだが、この作品が彼女の最高傑作であるのは間違いない。(猫背の王子という意見もあるが)
「マラケシュ心中」に登場する緒川絢彦は、短歌を詠む歌人である。
その歌は激しい性を生々しく表現し、当人もまた何人もの女性と関係をもつ。
そんな彼女が小川泉という女性との出会いによって大きく変わっていく。
良くも悪くも。

憎い。憎い。憎い。泉が憎い。赤ん坊が憎い。先生が憎い。この世のありとあらゆる夫婦が憎い。セックスさえすればかんたんに子どもをつくれるやつらが憎い。子どもをだしにして愛を引き留めるやつらが憎い。そしてわたしは誰よりも神が憎い。男女のあいだでしか生殖を可能にしなかった神が憎い。同性同士の愛を変態を呼ぶ世界をつくった神が憎い。このように不公平で不完全な世界をつくって平然としている神が心底から憎い。脳の血管が切れるほど、はらわたを掻きだしてぶつけたいほど、憎くて憎くてたまらない。

この憎しみと痛みこそがこの物語の本質ではないかと思っている。

そんな中山作品に隠されている狂気を思いながらCDを聴いている。
多分一生行くことがない場所だが、せめて音楽と小説でイメージの旅行をしてみようと思う。
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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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